2016年1月29日
転載歓迎

What's Coming in 2016 日本語訳

1月29日深夜2時、アメリカの PortlandLabs CEO のフランツ氏から、2016年の concrete5 の展望についてのライブキャストが行われました。発表の内容の日本語訳です。

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フランツ・マルナ氏, CEO, PortlandLabs

フランツ・マルナ氏によるメッセージ全文 日本語訳

みなさん、こんにちは。

2016年、concrete5 はより発展を遂げることになります。今日はそのことを共有します。

長年、「concrete5 は、世界中に行き渡り、スクリュードライバーのように、犬小屋から摩天楼までも作ることができるようなツールになり、垂直市場は存在しなくなるはずだ」と訴えてきました。小さなプロジェクトが少しずつ成熟し大きい物になっていくのであればそうでしょう。しかし、すべての人々を満足させることは出来ません。そのため、我々がどこを目指すべきか考えてきました。

人々がチームとなってウェブサイトを運営するような組織が concrete5 の恩恵を受けれるのではないか・・・。年商10億の会社は、自社のウェブサイトが複雑なため、小さいWenの変更もマーケティング部門が Web 担当者に頼めなければいけないことに疲れているような会社や、PlannedParenthoodアメリカ米軍のように、数百人のサイト編集者がいて、安全にかつ短いトレーニングで効率的にサイトを更新する必要がある大きな組織、そして、いろいろなスキルを持った人々が属している学校で、特徴ある各更新チームで、独自の別々の更新方法求める組織・・・。実はこれらのプロジェクトは concrete5 の今日で成功しているプロジェクトの具体例です。我々は既にたくさんの方にconcrete5 を使っていもらっていることについて満足はしています。しかし、2016年の目標は、concrete5 がより多くのシーンで中規模サイズの最適なプロジェクトツールとしてのポジションを獲得することが目標です。

我々のアドバンテージは、直感的な編集に重きをおいています。SaaS なウェブサイトサービスのようなユーザーエクスペリエンスを提供しつつも、より英知があり、要求も厳しい大きなクライアントの要求にも耐えうることです。会社の Web への重要度比率が増えていくようなところこそ、今、concrete5 をアピールできるクライアントです。

これは PortandLabs にとって、何を意味しているかというと、サポートにフォーカスしていくということです。我々は過去には巨大なプロジェクトも受注した経験があります。開発サービスの提供は続けますが、フルサービスのインタラクティブメディア代理店ではなくなりました。デザインや戦略・企画に対するサービスは提供しません。コンテンツの中身や SEO についても見ません。concrete5 開発とサポート契約を提供する・・・それが一番良いと思っています。

我々をブロードウェイミュージカルの舞台マネージャーと思ってください。例えば制作代理店は舞台監督かもしれません。クライアントはステージ上の俳優で自分たちの製品やアイデアを観客に売っているのです。我々は舞台を確実に作り、劇が無事に進み、緊急時の対応もより効率的にできるよう準備しておかなくてはいけない。舞台監督が独自のチームやサービスを取り入れようと模索し、関係者全員が納得できるようなサポートをすることが我々の仕事です。そこで、concrete5 はサイトを作って運用するというバランスが優れています。このサービスを PortlandLabs が提供するものとなります。ただし、既存の関係も続けられるように、バランスを考えて行動するということも考えてください。

concrete5.org では新しいサポートアカウントサービスを開始します。「Agency of Record」のモデルプログラムを追加し各自が独自のサポートや認定書、承認を受付ることができるようになります。エンタープライズ製品の価格も変更予定です。また、新しいパートナープログラムをスタートします (*1) 自分の提案の中に、ウェブ制作事業に、我々のサポートプランやエンタープライズ製品も入れてもらえないでしょうか。我々は難しいところを作る部分を手助けします。我々の成功はコミュニティにあることを十分に理解しています。みんなと一緒に成長していきたいと思っています。

(*1 訳注:コンクリートファイブジャパン株式会社のパートナー制度とは別の制度です。)

バージョン 7 がリリースされてから、1年以上が経ちました。我々のコードベースは、業界標準な開発者にとって魅力的なものになり、弊社の Korvin Szanto が PHP-FIG の新しい規則に貢献するポジションを得ることが出来ました。バージョン7は、実世界とのねじれを解消し、バージョン6を時代遅れとも感じさせています。レスポンシブデザイン、グリッドを意識したレイアウト、モバイルプレビューなどに重きを置いた新機能は、まさに今のマーケットが求めていたものばかりでした。ページタイプという抽象的なテンプレートから、新しく頼もしいコンテントのフレームワークとして、この12ヶ月間の変化はその前の3年を遥かに凌ぐような改善を成し遂げることが出来ました。2008年にオープンソース化した時のようです。世界中にシェアしたいと誇りに思う製品を作り上げることができたと感じています。

PortlandLabs のもう一つの大きな変化は、「分散」です。今まで弊社は Portland のトレンディーな場所に高い家賃を払い、地元の人材を雇い、ゼロから concrete5 をトレーニングしてきました。しかし今は Slack を使って仕事をしています。時々、ソファーとホワイトボードのある事務所に集まり話し合っているだけです。また、GitHub を通じて知り合うことが出来た世界中のフリーランサーたちも仲間に加わりました。Andy (訳注: PortlandLabs, CTO) とともに、彼らと一緒に仕事ができることをすごくエキサイトしています。世界中の才能ある人と24時間365日、自由かつ一緒に働ける環境を作りました。みながベストな仕事環境を決めることが出来ます。90年代から Web 制作をしていますがとって、このような革新的なスタートアップ文化を味わえることが楽しいです。これは非常に大きなステップとなりました。ソフトウエア自身だけに集中し、机上の議論の会話で無駄な時間を費やす必要がなくなりました。

個人的に、私も、世界中のどこからも仕事ができるようになりました。この秋、9月より、ずっと以前から行いたいと思っていた、家族とのイギリス・ヨーロッパ遠征を行います。道中、concrete5 を使うたくさんの制作会社や人と会えることを楽しみしています。また、帰る途中、太平洋を超えることも考えています。

ECコマースも課題の1つとして残っていますが、現在開発中の Data Types と密接に関係させることにしています。この数年、管理をしたいコンテンツをページから切り離したいというニーズがあると認識しています。Data Types は、concrete5 でマーケティング用のサイトを作れるようにアプリケーションを作れるるようになります。

コンセプトしては、いくつものカスタム属性を1つにした「ボード (船)」に、関係性をもたせた「マリーナ」モデルを簡単に作成できるように、一覧・編集・作成のインターフェースを持ち、自動的に生成されたデータを管理できるようになります。SalesForce や SAP のようなサードパーティーのフィードからデータを取り込めるような機能も追加します。concrete5 は、ウェブサイト管理ツールでありながら、より強力なコンテンツ管理システムになっていきます。

このデータタイプモデルは、開発中の無料ECコマースソリューションのベースとなり、EC 機能はコンテンツ管理にフォーカスし、チェックアウト、割引、税金、配送については、PayPal や FoxyCart などのサードパーティーソリューションを使うようにします。この方法で、チームがあちこちのことを取り組まんくてよくします。Eコマース自身を正しくするために大きな労力が必要ですが、concrete5 のEコマースがすべてのサイズのサイト、大きな規模も含めて、魅力的なソリューションとなることでしょう。

また、ビジネス機能を中心とした新しいアドオンのリリースも予定しています。カレンダー、採用、ブログ、プレスルームなどです。A/B テストやパーソナライゼーションを行うためのクールなアイデアも考えています。concrete5.org も再構成しています。PortlandLabs 内でも大きな動きもでています。

マーケティングについては、今まで、正直、あまり良いものではありませんでした。concrete5 は「隠れた逸材」という存在が続きました。2016年は第3の大きなチェンジを迎えようとしています。このステージに、世界中に concrete5 のすばらしさを伝えるボイスが必要であると考え、Jessica Dunbar さんをテクニカルエバンジェリストとして迎えることにしました。

Jess は concrete5 の初期からのファンで、Trivera (訳注:米代理店で Jess の前職) で長年素晴らしい concrete5 サイトを幾つも制作してきました。彼女は Joomla (訳注: 世界で3位のシェアを持つ CMS) でもアクティブでしたが、マネージメントチームを出て我々にフルタイムで参加しました。彼女の仕事は「 concrete5 を大きくすること。」トレーニングや認定システムを管理し、コミュニティ、マーケティング、イベントを運営していきます。営業、サポートや経理など他の我々のサービスには関わってきません。彼女の仕事は、開発者たちにこのオープンソースプロジェクトを浸透してもらうことです。彼女は1月に入ったばかりですが、既に大きな違いを感じています。とても良いエキサイティングなチェンジです。

つい最近、PortlandLabs とアメリカ陸軍との大きなプロジェクトをアナウンスしました。80以上のサイトがデザインされ直し、1つの concrete5 サイトとして集約され、吸う客万人に及ぶ兵士や家族や知人たちに情報を発信していきます。これは非常に意義がある責任の大きなプロジェクトですが、代理店の皆さんにとっても自分たちのお客さんに concrete5 を伝えるための良い材料となるでしょう。

この1〜2年で大きな変化と成し遂げ、それがやっと成果として現れているのが 2016年です。

これは、新しく concrete5 に関わる良いタイミングです。中には、自分の力はまだまだ及ばないと思うかもしれません。でも、みなさんの参加をお待ちしています。Andrew や私は本当につながりやすく、Korvin も IRC のチャットルームに頻繁に待機しています。

GitHub のラベルシステムも考えなおし、以前と喰らえべてより多くの開発者のプルリクエストを取り入れるようになり、そのうちの何名かは既に PortlandLabs の請負パートナーとなっています。

ドキュメントサイトも Wiki としてリニューアルし、誰もが寄稿できるシステムとなりました。スペルミスを治すだけでカルマポイントをゲットできます。

バージョン7のマーケットプレイスは数百個もの数になりました。数千ある WordPress ではないですが、それは、「小さな井戸の大きな蛙」になることができるチャンスでもあります。昨年に後方互換性のないバージョン7がリリースされても、成功しているテーマ開発者は、100万円以上、多い人で200万円以上も売上をあげています。良いテーマを作って承認されるのは時間がかかるので、今、始めるタイミングです! Jessica のプロモーションでマーケットプレイスという船も大海に繰り出すことになるでしょう。

いろいろな形で参加することが出来ます。我々はコンテンツ制作者、デザイナー、開発者の多種多様なメンバーです。そんな我々が concrete5 を今の形にしてきました。今、何か手伝いたいけれど何をしたいかわからないという人は、ぜひ、Jess に問い合わせフォームから連絡してください。Jess があなたのエネルギーを必要としています。

最後に。みなさんの数年間にわたってのサポート、ありがとうございました。concrete5 の素晴らしいアドベンチャーを歩みつづけることができ、将来も明るいと感じています。

それでは Q&A セッションに移ります。

 

Q&A セッション

Q&A セッションで話題に上がった内容を何点か書き残します

  • 認定テストはどういうものですか?
    • 大きく分けて4つのレベルに分かれていま
    • Community Advocate (コミュニティ):Web の基礎知識。コミュニティで concrete5 を運営するものとして最低限知るべき情報を知っているかのテスト。
    • Level 1 Editor (サイト更新者): cocnrete5 の操作方法
    • Level 2 Designer (デザイナー):テーマ作成
    • Level 3 Developer (開発者向け):ブロック & プログラム開発
  • 認定テストは、個人か団体か
    • 認証テストはあくまでも個人
  • 5.7 エンタープライズ版
    • 多言語支援: 翻訳会社へのXML のインポート、エクスポート機能。より大きな会社の規模向け
    • 多段階承認ワークフロー:5.6 大きくはと変わらず。1段階はもともとから無料
    • CDAM → Data Type:エンタープライズ版から無料の標準機能に 
    • HTML 出力は完成済み
  • Data Type について
    • コアー標準の機能になります
  • バックアップ機能について
    • 5.6 にあったバックアップ機能は 5.7 のメニューに残っているが、搭載しない予定
  • Eコマースのリリース日は?
    • 「もうすぐ」ただ、Data Type を作成してから
  • Agency Partner について
    • Design、 Developer 、International に別れます。
  • SimpleSite の現状について
    • concrete5 をサーバーインストールなしでも使える concrete5 ホスティング
    • よくも悪くもなし。
  • concrete5.org のチェンジについて
    • 現在のサイトは、ログイン認証サーバーとマーケットプレイスになります
    • ドキュメントのサイト (documentation.concrete5.org)が5.7で独立したように、ランディング用 (about) やユーザーフォーラムが 5.7 ベースの新しい別のサイトとして生まれ変わります。
    • ログイン認証部分やマーケットプレイスの concrete5.org 以外のコンテンツは legacy サイトとして残る予定です。
  • concrete5.8 のプランについて
    • ベータ版は数ヶ月以内にリリース予定
    • エディタは Redactor から CK Editor に移行予定

 

謝辞

いち早く、日本のコミュニティに伝えることができるよう、Franz 氏より、発表原稿を事前にいただき、翻訳を作成することが出来ました。